大阪グルメ倶楽部

肉球拳宗家のグルメ日記。キックボクサーの千絵、合気道の夏見、空手の歩と共に、訓練に励んでいる。

forare/イタリアン、創作料理/都島駅

 都島駅(大阪メトロ)の少し南側。寂れた商店街の南端近くにその店はある。飾り気のない外観で、灰色の壁に茶色い扉、ポツンと外灯があり、ごくさりげなく店名が書かれたプレートが置いてある。

 この日は17:30で予約していたのだが、17:15頃に到着すると既に外灯がついていた。これは少々困りものである。小型店の場合、営業前であっても仕込みや掃除のために店内のメイン電源を入れると、回路の都合上、看板や外灯まで点灯してしまう構造なのかもしれない。あるいは開店準備のルーチンとしてまず外灯をつけ、作業中も点灯したままになっているケースもある。ごく稀に、自動点灯センサーが曇天などで反応し、開店時刻よりもかなり前についてしまうパターンもあるだろう。店側としては「準備中(Closed)」の札を出しているつもりでも、遠目からだと外灯のインパクトが強く、誤解を生みやすい。
 周辺をぶらぶらして時間をつぶし、2分ほど前に店に戻ると、偶然別のグループが扉を開けて入っていったため、それに続いて入店した。中に入ると、大きなカウンターテーブルが目を引く。このカウンターには奥棚がない。通常であれば食器や食材ケースなどを置いてキッチンの目隠しとすることもあるが、それもない。そのため、カウンターの存在感が強い印象を残す。座席はカウンターのみの8席だ。入り口を入ってすぐ右手にもテーブルはあるが、作業台として使われているようだった。
 店内にはドライプランツ(ウッドオブジェ)がさりげなく置かれている。さすがにエアコンは白浮きしてイメージを損なうと考えたのか、目隠しが施されていた。カウンター背面の壁は灰色がかった紺色、座席は薄紫だろうか。それでもやはり、大きなカウンターが強く目を引く。

 いつも通りのこだわりを書いておけば、エスプレッソマシンの上にダスターを置かないでほしい、カラフェは透き通るくらいに磨き上げて置いてほしい、といった点は存在する。普段は五つの評価項目に則ってポイントをつけているのだが、コースが始まってしばらくした頃、思い知らされた。このような評価など、まったく意味がないのだと……。なぜそう感じたのかは、後述する。
 コース料理のみの提供だが、これは店主のワンオペであることを考えれば納得がいく。席に着くとメニューカードが置かれているが、料理名が非常にユニークだ。通常のフレンチやイタリアンであれば、メニューは<主材料>+<調理法(ソース・スタイル)>となる。イタリアンならフィレンツェ風、ミラノ風といった地名が入ることも多い。ところが、ここのメニューカードに記されているのはほぼ素材名のみだ。言い換えれば、素材名以外の情報が徹底的にそぎ落とされている。だからこそ、料理が出されるまで何が登場するのか分からない。語りすぎず、皿の仕上がりと発想だけで勝負するという店主の自信の表れだろう。

 このメニューカードの一番下に、Piccolo ristoranteと書かれていた。現在はそれほど厳格ではないものの、イタリアンの格式はリストランテ、トラットリア、オステリア、タベルナ、バールの順となる。カウンター8席という規模だけを見れば小料理屋やバールのサイズ感だが、トラットリアやオステリアとせずリストランテ(Ristorante)と名乗る点に、店主の美学と矜持を感じる。手軽な大衆食堂や居酒屋ではない。提供するのは妥協のないリストランテの料理と空間なのだという強いプライドが伝わってくる。例によってトリビーなのだがイタリアのビールにした。

 料理について触れるが、二皿だけ紹介したい。最初の料理には『茄子・ハモ・プラム』と書かれていた。ハモは夏の食材だが、味が繊細で淡泊なため、和食では骨切りしたあとのアラ(出汁)や葛を合わせて旨味を補強するのが王道とされる。しかし、ここにブロード(鶏スープ)を合わせてくるあたりに、イタリアンならではの骨格を感じた。最初はこの皿を見てハモを使った和伊折衷の料理かと思ったが、違っていた。ハモという淡泊な高級食材の旨味を引き立てるため、鶏スープの土台が緻密に設計されていたのだ。

 二皿目は『イカ・火傷・オクラ』と書かれた一皿だ。「火傷」とはスコルダート(Scordato)という高温で一気に火を入れる技法を指しているのだが、調理が始まるとイカの香ばしい良い香りが一気に漂う。そこにディルを合わせることで、イカの余熱やオイルの温度によりディルの精油成分が一気に揮発し、その香りも広がる。あえてダクトの吸気をコントロールしているのではないかと思えるほどのライブ感だ。視覚や味覚よりも前に、まず嗅覚が圧倒される。

 その時、気づかされた。ここは店主がパフォーマンスを披露する舞台なのだと。冒頭でカウンターに奥棚がないと書いたが、だからこそ扱う食材や下処理の様子がすべて目に入る。カウンター8席の空間は、客の感性を喚起するために緻密に計算された演出の舞台そのものなのだ。洗練された内装も、独特の雰囲気も、すべてはその演目を引き立てるために用意されている。これには白ワインをあわせてみた。

 食材名だけがストーリーのように素っ気なく記されたメニューも、客の無駄な先入観をそぎ落とすための仕掛けだろう。コース料理という一つの物語を全員で共有しているからこそ、調理の熱と共に一気に広がる香りの演出が劇的な効果を生むのだ。
 だからこそ、客の側に野暮なアラ探しや理屈は不要だ。店主が仕掛けてくる圧巻のパフォーマンスに報いる唯一の方法は、ただ五感を研ぎ澄ませ、差し出される一皿と誠心誠意向き合うことだけである。したがって、料理の紹介はこの二皿で終わりにしたい。冒頭で述べた「5項目でポイントをつける評価方法が無意味である」と感じたのも、まさにこの体験があったからだ。ということで、以下は料理名と画像のみで…。
 コッコリ、ランプレッド、沖縄。なんだけど、やっぱりわかりにくいと思うので、ちょっと解説。コッコリというのはトスカーナ名物の揚げパン。ランプレッドというのはギアラ(牛の第四胃)。これをハンバーが仕立てにしてある。『沖縄』となっているのは、刻んだゴーヤが使われており、調味料としてはコーレグースー(島唐辛子)が使われている。おそらくイタリアンならピカンテオイルなんだろうけど、ここは沖縄風にアレンジされている。

 鮎、クレソン、モロヘイヤ。

 カヴァテッリ、玉蜀黍、ペコリーノ。

 太刀魚、シラス、ズッキーニ。

 夏鹿、発酵、ブルーベリー。

 ドルチェが、カキ氷、桃、トロピカルと書かれた逸品だったんだけど、なんと撮り忘れた。(^^;)。代わりにオーダーしたワインをどうぞ。

アルコール類にも触れておくと、スプマンテは良しとして、ビールが食前酒扱いになっている。このあたりも、食中のメインパートナーとしてはワインを飲んでほしいという店主のこだわりなのだろう。ワインを中心に見ていたため見落としがあるかもしれないが、焼酎やウイスキーは見当たらなかったように思う。また、食後酒が非常に充実していた。最近は食後酒を飲まない人が増え、置かない店も多くなっているが、クラシックなイタリアンにおいてグラッパやリモンチェッロなどの食後酒はコースの余韻を完結させる最後のピースである。正直、満腹ではち切れそうだったためオーダーには至らなかったのだが……。順番が逆になったけど、自家製のフォカッチャ。料理(コース)自体のボリュームが多いので、おいしいからと言って調子に乗って食べてると、後半、かなり辛くなってくる。

 C/Pについてだが、最高値が5であるため5をつけたものの、本来は数値などつけられない。料理、演出、ホスピタリティ、満腹度、そして驚きと興奮――そのすべてが圧倒的であった。

 

(参考)

forare(食べログ)

 

ジンギスカン酒場 ラム太郎 難波店/ジンギスカン/難波駅

 羊肉が大好きなので、訪問してみました。

 お店はビルの三階にあるので、エレベーターで三階に上がります。

 エレベーターの扉が開くと、そこはもう店内です。

 店内は、カウンター席(12席)を合わせて計150席あるとのことで、なかなかに広々とした空間になっています。長テーブルの上にコンロとジンギスカン用天板が置かれており、コンロごとに排煙フードが設置されていますので、煙でもうもうとなるようなことはありません。焼き肉店などの煙とその匂いは食欲をそそるものではありますが、服に匂いがつくことを考えれば、やはりクリーンな環境の方が良いです。

 オーダーはタブレットから行うシステムになっています。QRコードを読み込んで自前のスマホから注文するのではなく、専用タブレットを使うので画面も大きく見やすいです。おそらく『ジンギスカンラム太郎セット』がお勧めなのでしょうが、今回はアラカルトでオーダーしたため、このお勧めセットの内容がどのようなものかは確認していません。とりあえず、キムチ。

 嬉しいところは、羊肉の種類が豊富なことです。熟成塩〆ラム、ラムチョップ、厚切りラムタン、塩たれ柔らかにんにくジンギスカンなど多数用意されているので、とりあえず全種類制覇してみようという気になります。ボリューム的に無理でしたが…。羊肉以外にも野菜メニュー、それから酒の肴メニューが豊富に揃っているのも嬉しいところです。

 ドリンクについては、ビール、サワー、ハイボール、焼酎など各種取りそろえられています。あと、フード、ドリンクにかかわらず、オーダーしてから届けられるまでが早いです。客席からキッチンも見て取れるのですが、それほどスタッフ数が多いわけではないにもかかわらずスピーディです。

 サービスに関してですが、先に書いたようにタブレットからのオーダーとなるので、入店時のエスコートと、フードキャリー(料理の提供)、そして会計時くらいしかスタッフと接する機会はありません。
 
 C/Pは良い感じだと思いますが、肉を焼く用のトングなどがあれば、もっと嬉しかったですね。

 

(参考)

ジンギスカン酒場 ラム太郎 難波店(食べログ)

 ジンギスカン酒場 ラム太郎 難波店(Instagram)

九州の旬 博多廊 法善寺店/日本料理/なんば駅(大阪メトロ)

 実は今回で2度目の訪問です。前回は少人数だったため1階のカウンター席でしたが、今回は大人数だったこともあり、2階の個室(洋式)へと案内していただきました。

 グランドオープンは2017年とのことで、約9年が経ちます。前回利用した1階カウンター席も、今回の2階個室も細部までしっかりと清掃が行き届いており、とても心地よい空間でした。

 今回はおすすめの「黒毛和牛すき焼き膳 (2,980円)」と「彩り花御膳 (2,530円)」をそれぞれ注文。大人数でのオーダーにもかかわらず、混乱もなくスムーズに料理が運ばれてきました。

 内容も非常に豪華で、先付、造り盛り合わせ、茶碗蒸し、天ぷら、そしてメインの黒毛和牛すき焼きと、一品ずつタイミングを合わせて持ってきてくださいます。スタッフの方は何度も1階と2階を往復されることになり大変だったかと思いますが、素晴らしい手際でした。

 接客サービスもとても気持ちが良く、若いスタッフの方々でしたが丁寧で当たりの柔らかい対応が印象的です。

 今回はノンアルコールのメンバーも含まれていましたが、それを差し引いても「このクオリティと接客でこの価格はコスパが高い!」と大満足の体験でした。

 

(参考)

九州の旬 博多廊 法善寺店(食べログ)

博多廊 法善寺店(Instagram)

 博多廊 法善寺店(オフィシャル)

Sky Lounge 22/ラウンジ(洋食)/荒本駅

 東大阪市役所ビルの22階にあるスカイラウンジ。以前から存在は知っていたのですが、今回が待望の初訪問となりました。少し微妙な時間帯だったため「開いていればラッキー」というダメ元での訪問でしたが、無事に営業しており入店できました。ちなみに東大阪市役所の公式サイトによると、営業時間枠は11:30-14:30(ランチ)、14:30-17:00(カフェ)、17:00-22:00(ディナー)となっているようです。メニューについても、PDF形式ではありますが市役所のサイトから事前に確認することができます。

 グランドオープンは2015年05月11日とのことですので、すでに10年以上が経過していることになります。そのため、さすがに内装などに少し年季が入ってきている部分が見受けられるのは、少々残念なポイントではあります。

 しかし、東側の窓からは生駒山、南側の窓からは高安山・信貴山・金剛山などを一望できます。さらに南西方向に目を向けると、眼下には阪神高速と近畿自動車道が交差する東大阪ジャンクションが広がり、その先には大阪平野の街並み越しにあべのハルカスや堺・和泉方面(和泉山脈)まで見渡すことができ、まさに圧巻の景観です。

 今回はカフェタイムの訪問だったため料理はオーダーしていません。とはいえ、ケーキとコーヒーという気分でもなかったため、今回はビールを2杯いただいたのみとなります。そのため、雰囲気の点数のみ少し高めに調整し、その他の項目は標準点のままといたしました。

 

(参考)

Sky Lounge 22(食べログ)

THE Kappo あきほ/居酒屋(鯨料理)/南森町駅

 夕食難民となっているときに行き当たった店。見た目は居酒屋風だったんですが、店外に出されているメニューに鯨があったので、暖簾をくぐってみました。暖簾に書かれている店名『あきほ』を見たときに、仙堂あきほ(女優)が思い出されたので、おそらく女将の名前が『あきほ』なんだろうと思ってたんですが、違いました。店名の由来は後に聞きましたが…。なぜ『割烹』ではなく『THE Kappo』としたのかについては聞き忘れました。

 店内は、カウンター席(8席)とテーブル席(12席)です。内観も普通の居酒屋な感じですが、女将の接客がとてもいい感じでした。今回はカウンター席に座ったんですが、カウンターの奥棚が高い目なので、キッチン担当の大将とは言葉を交わしにくく、代わって女将が柔らかい物腰で対応してくれました。このあたり、言葉のニュアンスが難しいんですが、丁寧であって、かつ優しいというか柔らかい感じです。妙に落ち着く感じと言えば良いんですかね。一見ではあるのに、いきなり馴染みの店のように感じてしまうほど距離感を縮めてくれます。

 今回、フードオーダーの際にもドリンクオーダーの際にも、女将と相談しながらというか、女将の意見を参考にして決めていきました。このあたりも割烹ならではの楽しみではあります。鯨料理って、珍しいと思うので、先に部位の紹介です。

 フード類です。鯨料理が名物のようなんですが、ハリハリ鍋は前日までの予約制となっています。メニューはA4サイズのカードケースに入れられており、片面が『季節の一品メニュー』、反対側が『押しメニュー』となっています。『季節の一品メニュー』の方は、いわばスピードメニューではあるんですが、夏の風物詩『鱧』のメニューが用意されていたので、ものすごく心が揺れました。ただ、この日は押しメニューである鯨料理で統一することにしました。

 別途、この日のお勧めが書かれた黒板メニューもあって、そこにも鱧のメニューがあったんですが…。

 ハッピーアワー的なメニューもあったので、とりあえずそちらを前菜代わりにして、エンジンがかかってきたところで、作りの盛り合わせ、鯨肉の盛り合わせと続きます。作り盛り合わせは日本酒をあわせました。鯨肉に入ったときに、日本酒のまま継続するか焼酎にスイッチするかで悩んだんですが、最後の一杯は焼酎となりました。

こちらが突き出し。

 こちらは、ハッピーセットの三種盛り。

 こちらは作り盛り合わせ。

 こっちが鯨肉盛り合わせ。

 鯨の竜田揚げが小学校給食で出た世代なので、独特の濃いめの味付けと甘辛さ、少し歯ごたえのある肉質は強く記憶に残ってはいるんですが、2000年代以降生まれにとって、鯨肉はたまにイベントで見る珍しい食材となってしまいました。ちょっと残念ではあります。今回オーダーした、鯨肉盛り合わせ、鯨の大和煮、鯨の紫蘇巻き天ぷらは、そうした古い記憶を呼び覚ましてくれるものでありましたし、何より新鮮で旨かったです。画像は、上が大和煮、したが紫蘇巻き天ぷらです。

 アルコールドリンクは、ビール、サワー、ジン、ワイン、ウィスキーと用意されています。ビールにこだわりがあるのか、生はアサヒスーパードライなんですが、瓶でキリン一番搾りとサッポロラガー赤星が用意されていました。ウィスキーは複数銘柄が用意されていましたが、ジンは1銘柄、ワインもおそらくハウスワインのみなんでしょう。

 それに対して、日本酒は18種類くらい用意されていました。一部、品切れとなっていた銘柄もありましたが…。日本酒は5勺での提供となるようです。焼酎の取りそろえも多い目です。

 C/Pは良い感じです。最後に、この日のんだ日本酒&焼酎の画像をどうぞ。

 

(参考)

THE Kappo あきほ(食べログ)

 

食堂 みづ木/居酒屋/扇町駅

 例によって、営業開始と共に入店する感じでした。予約は入れておきましたが…。営業開始は17:30なんですが、ちゃんと17:30までに店前のメニューが出されて外灯もつき、暖簾も上がったので、これはいい感じです。店内は、入ってすぐのところにL型カウンターがあり、こちらは8席。奥には半個室のテーブル席があるようですが、詳しくは確認出来ていないです。

 日本料理の店だという風に聞いていたんですが、メニューを見る限りでは、惣菜(おばんざい)の店のように見受けられます。魚メニューは「お造りも出来ます」とは書かれているんですが、じゃあ造りでなければ何なのか…、が気になったりします。少なくとも、造りは推しではないのだなと受け取りました。あるいは、トロタクのように一手間加えて創作和食っぽくしたいのか…。ロス率を下げたいのかとも思いますが…。あと、煮物がないです。

 料理のレベルは高いです。ちょっとムラがあるのが残念ですが…。先ずはというところで、トリビーです。

 こちらは突き出しです。良い感じですね。

 先ずは…、ということで播州名物ひねぽんをオーダーしたところ、切り干し大根らしきものが入っていて、珍しい取り合わせだなと思ったんですが、切り干し大根ではなく千切りにした生姜でした。ひねぽん(親鶏のポン酢和え)は、若鶏にはない強烈な旨味としっかりとした歯ごたえが魅力なんですが、その分、油のコクや皮目の香ばしさが強く残る料理です。そこに大量の千切り生姜を合わせるのは、素晴らしいアクセントです。ひね鶏のむっちりモチモチとした力強い歯ごたえに対して、千切り生姜のシャキシャキ感。生姜の辛味と香りがひね鶏の脂を切り落としてくれますし、何よりポン酢と生姜は相性が良いです。

 続いては、ウニと蓴菜の小鉢。最近は蓴菜を見ること自体が少なくなりましたが、初夏(05月~07月)が旬で、新芽の周りを覆うゼラチン質のぬめりが特徴的です。蓴菜は食感とのどごしが特徴で、通常はちょっと酢を利かせた出汁で清涼感を出します。今回はウニと合わせることで出汁も酸味も控えめになっていて。最初に蓴菜を口に入れたときは薄味かなと感じるんですが、ウニがやってきた途端に、ウニの濃密さが爆裂します。ウニを主役に据えたいが為に、わざと酸味を抑えたのでしょう。

 続いて和牛たたきです。醤油ベースの和風味になっていてそれだけで旨いんですが、隠し味になっているにんにくがどこから来ているのかで、ちょっと考え悩んだりしました。皿に塗りつけたのか、カットした切り口に当てたのか、あるいは塊肉の下処理として塩&胡椒と共ににんにくを擦り込んだのか、はたまた漬け込み用の和風出汁の方に香りだけ移しているのか…。もちろん、肉本来の旨味も良い感じで味わうことが出来ました。おそらく、相当な店での修行経験があるのでしょう。

 鯵フライとかき揚げは、あらっ…、な感じでしたが…。悪いという意味ではないです。普通です。出汁や薬味を利かせる冷菜・一品料理のセンスは飛び抜けているだけに、料理の緩急としては少し肩透かしを食らう感じです。煮物メニューがないのは、おそらくキッチンスペースが小さいというのが一番の理由なのでしょう。

 サービスですが、丁寧ではありますが、ちょっと距離感を感じます。客と目線を合わせずに、自分の仕事を淡々とこなす感じ。聞かれたら答えるけれど、スタッフからは話しかけてこないです。カウンター席は女将の前だったので、「どなたかの紹介ですか?」とか「どちらからですか?」とか聞かれるかと思ったんですが、それはなしです。少しして常連と思われる客が入ってきたんですが、声をかけられると返すものの、「先日はどうも…」といった会話もなしです。拒絶されているわけではないけれど、見えないガラスの壁で隔てられているような独特の余白を感じてしまう。職人肌ゆえに過度な干渉を嫌うのか、あるいは常連にも一線を引く一定距離がポリシーなのかは分かりませんが、ちょっと悪い方に出ているような気がします。歓迎されている感はないです。料理の修業経験はあっても、接客経験が無いという可能性もありますが…。

 サービスについてはもう一つ。二つか…。しばらくしたところで、90分経ったということでラストオーダーを取りに来てくれたんですが、そんなアナウンスは受けてないです。着席したときに言ってくれれば良いんですが…。飲食店での滞留時間は短いので、個人的にはぜんぜん問題ないんですが、場合によっては「聞いてないよ」と言うことになるかもしれません。食後に氷菓を持って来てくれたんですけど、それも事前に伝えておいてほしいです。甘味は別腹と言いつつ、満腹でもう食べられませんという人もいるでしょうし、ダイエット中の人かも知れません。ちょっと配慮が足らんかな…。ルールの事前告知がないのはトラブルの元凶ですし、オーダーしていない料理を提供する前に意思確認をするとか、接客の基本だと思うんですが、出来てないです。

 アルコールドリンクは、ビールやハイボールはもちろんとして、焼酎の種類が多めです。日本酒の取りそろえも多めです。ただワインが…。375mlボトルしか置かないのは、ストックスペースの問題ですかね。しかも、価格設定がかなり強気です。KENZOは良いんですよ、ブランド品だから。でも、なぜ4,000~6,000円台のフルボトルを置かないのか…。シャンペンは置いてあるのに…。

 C/Pですねぇ…。最初の料理三品(ひねぽん、蓴菜うに、和牛たたき)があれほど繊細で粋な配慮が出来るのに、接客や飲料の値付けになると急に大雑把になる。あとは、スタッフとの距離感まで考えると、良いとは言いがたいですね。

 

(参考)

食堂 みづ木(食べログ)

STELLA ltalian restaurant&cafe/イタリアン、カフェ/南森町駅

 店名になっているSTELLAは、イタリア語、及びその基となったラテン語で『星』という意味です。客席の照明にはペンダントライトが多用されているのですが、形が星形(金平糖形といった方が良いのかもしれません)になっており、これも店名にちなんでのことだと思われます。

 店はビルの2階にあります。2階の商店街に面した窓には大きく店名が書かれているものの、1階の入り口はやや目立たないので少し分かりにくいかもしれません。店前には看板が用意されていますし、何より今はグランドオープン直後ということで、1階入り口付近や2階入り口付近にも祝い花が並べられていますが、これらが無くなると少し目立たなくなるかなという印象は受けます。ちなみに1階は古本屋の『駱楽屋書房』ですので、そこを目印にして行くのが良さそうです。

 2階にある店へは、『駱楽屋書房』の横にある細い階段を上っていくことになります。店内はカフェっぽい作りになっていますが、記憶に間違いがなければ、以前は鉄板焼きの店だったような気もします。客席は、カウンター(4席)、テーブル席(2席)、壁側がソファー席になったテーブル席が14席ありました。カウンターの奥棚が高いので、残念ながらキッチン方面はよく見えませんでしたが、見える範囲で言うとしっかりと整理されています。気になったのは蜂蜜が並んでいることで、シロップとして使うようです。ディナータイムというよりは、カフェタイムに使うのでしょうか。

 サービスはマダム、キッチンはシェフの各1名体制です。マダムの方はかなり頻繁にフロアを巡回されています。先ほどカウンターの奥棚が高くてキッチンが見えにくいと書きましたが、これは逆に言えば、シェフから客席を見渡しにくいということでもあります。そのため、マダムが頻繁に巡回されるのは、キッチンとフロアの連携を図る意味でも良いアプローチだと感じました。例によって、最初はトリビーなんですが、この日はなぜかサンペレグリノ(炭酸入りミネラルウォーター)です。

 今回はディナータイムの訪問だったのですが、メニューはアンティパスト(前菜)、パスタ&メインとなっており、品数はさほど多くありません。軽食とまでは言わないものの、重すぎない軽やかなスタイルのイタリアンです。

 営業時間は、11:00-15:00(ランチ)、15:00-16:00(カフェ)、17:00-19:00(ディナー)となっていました。「えっ、ディナータイムが2時間なの?」と思ったのですが、このあたりについては詳しく聞き損ねてしまいました。とはいえ、カフェタイムも1時間しかありません。ランチに一番力を入れているのでしょうか。ドルチェだけでメニューの1ページを使っているところを見ても、力が入っているのは間違いなさそうです。

 アルコールドリンクもかなり絞り気味で、ビール、自家製レモンサワー、ハイボールなどで、ウイスキーの銘柄表記はありませんでした。ワインは別途ワインリストがあるものの、泡(1)、白(1)、ロゼ(1)、赤(2)といった構成です。個人的な希望を言えば、もう少しイタリアワインを中心に揃えてほしいところでしょうか。また、食後酒も置いていないようでした。やはりディナータイムよりは、ランチタイムやカフェタイムに重きを置いているのかもしれません。

 先ずはカルパッチョです。

 続いて、季節のフルーツと生ハム水牛モツァレラです。

 メインは、牛肉か鶏肉かの二択だったんですが、今回は鶏肉にしました。大山鶏もも肉のグリルです。

 C/Pは普通かな、という印象です。

  

(参考)

STELLA ltalian restaurant&cafe(食べログ)