天神橋筋六丁目駅の西側、戦災での被害が比較的少なかったエリアに、立ち飲みの店が新しくオープンしました。早い時間から営業しているという情報を聞きつけ、期待に胸を膨らませて訪問してきました。店の外観はなかなか趣があり、まるで時代劇のロケに使えそうな雰囲気です。戦前の面影を残す建物や木の看板が、どこか懐かしさを感じさせます。ただ、店前に自転車が数台止められていたのは少し残念でした。所有者は不明なのでこれ以上は触れませんが…。

店内に入ると、七輪焼きが推しの店とのことだったので、煙でモクモクしているのではと想像していました。しかし実際には煙はほとんど感じられませんでした。どうやら具材にも、強く煙が出るものは用意されていないようです。店内はやや薄暗く落ち着いた照明で、昭和初期のドラマの舞台にそのまま使えそうな雰囲気です。テーブル席は3人程度でゆったりと使える広さがあり、友人との飲み会や少人数の集まりにぴったりです。カウンター席は2カ所あり、どちらもヒップバーが付いているため、長時間座っても脚が疲れにくい設計になっています。テラス席もあるのですが、防水が十分ではないため、豪雨の日には利用が難しいようです。

カウンター席には「べく杯」も置かれていました。べく杯とは、酒器に特殊な形や穴があり、酒を注ぐと置くことができず、飲み干さなければ手から放せないユニークな酒器です。一種の遊びとして楽しむもので、今ならアルコールハラスメントを避けるためになかなか体験できない文化ですが、こうした小物があるだけで、ちょっとした店の個性を感じます。

七輪焼きメニューは単品でも注文可能ですが、盛り合わせで頼むのが便利です。オーダー回数が減るうえ、立ち飲みであっても色々な具材を少しずつ楽しめます。QRコードを使ったスマホオーダーシステムを導入しているので、効率よく注文できるのもポイントです。立ち飲みですがスタッフが近くにいてくれるため、メニューやドリンクについて質問できるのは安心です。七輪焼き以外にも、酒のアテ系や揚げもの系など、多彩な料理が揃っており、ポーションも少なめなので、いろいろと試しながら楽しめるのが嬉しいところです。


サービス面も好印象でした。対応してくれたスタッフは高知県出身とのことで、明るく丁寧に接してくれます。私はカウンター席に座ったため、スタッフとの距離が近く、自然と会話が弾みました。隣に座った他の客とも話が盛り上がるなど、立ち飲みならではの交流が生まれるのも楽しい点です。もちろん、スタッフを独占して長話をする客もおらず、程よい距離感で気持ちよく過ごせました。これは梅干し子キムチです。

アルコール類では、亀泉酒造の日本酒が充実しており、日本酒好きにはたまらないラインナップです。今回は日本酒だけで通しましたが、ビールや焼酎、ハイボールなども用意されているようで、幅広い嗜好に対応しています。酒器や銘柄の選択肢も多く、少人数でもさまざまな楽しみ方ができます。

コストパフォーマンスも良好です。今回私は思い切り飲んだため客単価はやや高くなりましたが、通常のサク飲みであれば、半額以下で楽しめるのではないかと思います。立ち飲みという気軽さと、本格的な七輪焼きや多彩なアテを組み合わせることで、満足度は十分に高いです。ウツボの唐揚げです。

全体として、天神橋筋六丁目のこの立ち飲み店は、昭和初期の風情を感じさせる外観や落ち着いた店内、丁寧なサービス、日本酒や七輪焼きの充実したメニューなど、立ち飲みながらもしっかり楽しめるお店です。友人との軽い飲みや、一人でちょっと立ち寄って楽しむのにも最適で、街歩きの途中にふらっと立ち寄りたくなる魅力があります。店の個性や雰囲気を楽しみつつ、いろいろな料理を少しずつ味わえるのは、立ち飲みならではの醍醐味だと感じました。


カツオの塩たたきとミンチカツです。


(参考)