南森町駅近くに新しくオープンした鮮魚系のお店『愚庵』に行ってきました。『ぐあん』と読みます。店名がとても気になっていたので、スタッフに店名の由来を聞いてみたのですが、「分からない」との返答でした。拍子抜けしました。本店は和歌山市の和歌山城の近くにあるそうです。
ディナータイムの営業時間は17:00から。少し早めに着いてしまい、開店前の様子を眺めていたのですが、17:00ジャストに外灯がつきました。良い店です。
店内に入ると、まず目に入るのは7席のカウンターです。奥には4人掛けのテーブルが2卓あり、全体的にコンパクトで落ち着いた造りです。トイレは店外のテナントビル共用のものを使用する形。カウンターには古い壺や謎めいた石が置かれており、思わず「これは何ですか?」と尋ねたのですが、これまた分からないとの答え。グランドオープンから3日目ということもあり、まだ色々と手探りな部分があるのかもしれません。カウンターはやや高めで、ツボや石、さらにネタケースが目隠しになっていることもあり、キッチンの様子はほとんど見えません。ただ、見える範囲で気になる点はなく、整理整頓もきちんとされている印象。全体的に、雰囲気や衛生面での不安は感じませんでした。
サービス担当の方は天然キャラというか、不思議ちゃんというか、少しペースがかみ合いませんでした。本店から来ているとの話でしたので、和歌山から大阪まで通っているのかもしれません。奥には女将と思しき方もいましたが、主に配膳役に徹しているようで、あまり情報は得られませんでした。調理助手らしき若者もいましたが、会話は帰り際に「この石は何ですか?」「分かりません」という一言のやりとりのみ。全体的に、まだ接客スタイルが固まっていない印象です。突然ですが、箸袋です。
突き出しです。右端は、鯛を使ったつみれ団子です。
こちらはネタケースなんですが、赤海老を入れて四種類ほどしかありません。グランドオープンから間もないということで、客数が予測出来ないので仕入を絞っているのかもしれません。なお、朝、漁獲したものが、昼頃に店に届くらしいです。不思議ちゃんによると、予約しておけばコース料理が出るらしいんですが、そうでない場合は、ただ、予約時はコース限定なのか、それともアラカルトでもオーダーできるのかまでは確認できませんでした。
メニューがこちらです。今回は予約なしの飛び込みでしたので、一品料理を除けば選べるのは造り(単品・盛り合わせ)、煮物、焼き物、揚げ物といった構成でした。鮮魚系の居酒屋なんですが、鮮魚系メニューは前半分だけです。ちょっと寂しいです。造り単品として何が用意されているの、煮魚、焼き魚は何が出てくるのかは、スタッフに聞かないと分かりません。
一品メニューもあるんですが、造りに、焼き物、煮物を食べて、箸休め的に一品の手を伸ばすというのは良いんですが、魚介系メニューよりも一品メニューの方が多い感じです。客足が予測出来るようになれば、メニュー品目も増えてくるとは思いますが、それまでは、予約を入れておく方が安心かもしれません。
作り盛り合わせです。
ドリンクですが、この日は日本酒オンリーです。夏の暑い日は、一杯目のビールが旨いんですが、そろそろいきなり日本酒から入っても良いかなと言うところです。日本酒メニューには紀土と雑賀がありました。さすが、和歌山の魚介を扱う店だけあって、和歌山の日本酒にこだわっているんだなと思ったりはしましたが…。
こちらは、紀土です。最近は見なくなった、氷を入れて日本酒が冷えた状態を維持出来るような調子になってます。日本酒は一合での提供になるようです。五勺で提供してくれる店も多くなっているので、日本酒と言えば五勺出してくれると思っている場合もあるかもしれませんが、注意した方が良さそうです。
あとで定番メニューを見たら大阪屋長兵衛(兵庫)や辛丹波本醸造、金冠辛口などもしっかり用意されていました。通常、定番メニューには、「日本酒は別紙参照」とか「日本酒はスタッフに聞いてください」とか書かれていることが多く、別に日本酒専用メニューが置かれている場合がよくあります。今回、日本酒専用メニューの方を先に見つけてしまったので、紀土と雑賀しかないと思っていたんですが…。辛丹波本醸造があると言うことは燗にも対応してくれるのかもしれません。確認はしてませんが…。
煮魚です。ヨコスジフエダイ。一般的にはタルミとも言うようです。甘味の強い濃厚な感じではなくて、あっさりした味付けでした。
Instagramには、「蕎麦と紀州活け締め料理」と書かれていたので、蕎麦も楽しみにしていたんですが、蕎麦がメニューにありません。蕎麦屋に出向く感じで、魚料理をアテに日本酒を飲んだあとは、蕎麦で締めようと思っていたんですが…。スタッフ(不思議ちゃん)に聞いてみたところ、盛りだったら準備出来るということでした。常時オーダー可能なのか、それともこの日だけ特別に出せたのかは不明でした。
(参考)